【9月30日 AFP】世界で初めてエイズウイルス(HIV)感染から完治した「ベルリンの患者」の名で知られていた米国人のティモシー・レイ・ブラウン(Timothy Ray Brown)さんが、がんとの闘病の末、亡くなった。国際エイズ学会(IAS)が30日、明らかにした。

 ブラウンさんは1995年、HIVに感染していることが判明。2006年には白血病と診断されたが、両方の治癒が認められた。医学史に名前を残すと同時に、HIVと共に生きる多くの人々にとって希望の象徴となった。

 ブラウンさんはここ数か月間、白血病の再発に苦しみながら、米カリフォルニア州パームスプリングズ(Palm Springs)の自宅でホスピスケアを受けていた。

 IASのアディーバ・カマルザマン(Adeeba Kamarulzaman)理事長は、「全学会員を代表して、ティモシーさんとそのパートナー、家族、友人に哀悼の念をささげる」とコメント。

「ティモシーさんと主治医のゲロ・フッター(Gero Hutter)氏に対し、HIV克服が可能であるとの概念を科学者らが探究する扉を開いてくれたことに多大なる謝意を表する」と述べた。(c)AFP/Patrick GALEY