【9月30日 AFP】(更新、写真追加)クウェートで30日、ナワフ・アフマド・サバハ(Nawaf al-Ahmad Al-Sabah)新首長(83)が即位した。ナワフ首長は、前日に91歳で死去したサバハ・アハマド・ジャビル・サバハ(Sabah al-Ahmad al-Jaber Al-Sabah)前首長の異母弟。

 ナワフ新首長は、首都クウェート市の国民議会で宣誓して即位した。

 14年間在位したサバハ前首長は、外交官および調停役として功績を残した。兄の死去の翌日に国民議会で即位の宣誓を行ったナワフ新首長は、感情の高まりをあらわにした。

 米ミネソタ州の病院で治療を受けていた前首長の遺体は30日夜、クウェート市に到着する予定。

 裁判所によると、葬儀への参列は前首長の「親族のみに制限される」という。新型コロナウイルスの感染拡大中に大勢の市民が集まるのを防ぐ目的があるとみられる。同国はすでに40日間の国喪に入っている。

 2006年から次期首長と目されてきたナワフ新首長は、1990年のイラクによるクウェート侵攻時には国防相を務め、また内相時代にはイスラム武装勢力への対応に当たった。

 新首長は同国を統治するサバハ家の支持を受け、即位は一族の総意だったとされる。謙虚な人柄で知られ、目立った言動は控えてきた。

 近隣のアラブ首長国連邦(UAE)とバーレーンがイスラエルと国交正常化し、中東諸国に劇的な変化が起きる中、クウェートでは新首長下でも大きな政策転換はないとみられている。

 同国では、イスラエルとの国交正常化の前にパレスチナ問題を解決すべきというアラブ諸国の従来の見方が大勢を占めており、世論はイスラエルとの国交正常化にはおおむね否定的とされる。(c)AFP