【9月30日 AFP】仏パリで開催中のパリ・ファッションウィーク(Paris Fashion Week)で29日、マリア・グラツィア・キウリ(Maria Grazia Chiuri)氏が手掛ける「ディオール(Dior)」が、21年春夏コレクションを発表した。不確実な世界から身を守るための、快適さを重視した作品が披露された。新型コロナウイルスの打撃を受けるパリで大規模なファッションショーが開催されたのは、ほぼ7か月ぶり。

 ショーのためにチュイルリー公園(Tuileries Garden)に設営された、ステンドグラスのある大聖堂風の会場には、小雨の中、マスク姿のゲストら300人が訪れた。

 コレクションの多くは、快適さを求めた作品で構成されている。数か月にわたり不安に悩まされてきた人々の神経と魂を落ち着かせるためのものだという。

 伊出身のキウリ氏は、家でくつろぎ、安心できるようなラグジュアリーな衣装を手掛けた。着ると、ほぼ全身が包み込まれるように仕立てられている。

 花があしらわれたヘアバンドや、大きめの金のイヤリングなど、作品の多くは1970年代の放浪的な雰囲気だ。

 キウリ氏はAFPに対し「私たちは(今までとは)違った生活を送っています。服との関係というものが、はるかに個人的で親密なものになっています」と語った。

■「絶滅への反逆」活動家がランウェイに飛び出す一幕も

 ショーでは、気候変動の危機を訴える団体「絶滅への反逆(Extinction Rebellion)」の活動家がランウェイに出て、「私たちはみなファッションの犠牲者だ」と書かれた旗を広げる一幕も。

 同団体は、「CO2排出量の10%」はファッション業界に起因していると主張。環境汚染に加担する主要な業界の一つであることを、人々に思い出させる象徴的なパフォーマンスを披露できたと語った。

 28日に開幕したパリ・ファッションウィークは、来月6日まで開催される。(c)AFP/Fiachra GIBBONS