【9月30日 AFP】全仏オープンテニス(French Open 2020)は29日、女子シングルス1回戦が行われ、エジプトのマヤル・シェリフ(Mayar Sherif)が同国の女子選手では初めて四大大会(グランドスラム)の本戦に出場したが、第2シードのカロリーナ・プリスコバ(Karolina Pliskova、チェコ)に敗れて初戦突破はならなかった。

 世界ランキング172位のシェリフは、第1セットを獲得したがその勢いを持続させることができず、7-6(11-9)、2-6、4-6の逆転でプリスコバに敗れた。

 今大会は、予選を勝ち上がったシェリフに加えてチュニジアのオンス・ジャバー(Ons Jabeur)も本戦に出場しており、グランドスラムでは2002年以来久しぶりに、アラブ系の女子選手が本戦に2人出場した。

 1回戦敗退に終わったものの、米国の大学を出て2019年にノーランカーからスタートしたばかりのシェリフは「まだまだ伸びしろがある」と強調し、「どんなレベルかは分かったし、ベストではない中で世界最高の選手を追い詰めることができた」とコメントした。

 さらにシェリフは、サッカー界のスターで、エジプトの象徴でもあるモハメド・サラー(Mohamed Salah)らからの応援も力になったと明かし、サラーと直接の面識はないものの、世界の舞台で地位を確立したエジプト人として何か助言をもらえればうれしいと話した。

「サラーは世界最高レベルのサッカー選手で、あれだけの成功を収めた人が、母国の人の成功をサポートしようとしている。世の中には良い人がいて、誰かの成功を後押ししたい成功者がいると分かっただけでも力になる」

「私が聞きたいのは、どうやって壁を破ることで、自分を信じ、エジプト人として初めての大きな実績を残せたのかという部分」「どう乗り越えたのか、今の場所へたどり着くまで、どんな段階を踏んできたのかを知りたい」 (c)AFP/Martyn WOOD