判定に泣いた仏選手がVAR導入求める、2回バウンドも審判気づかず
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【9月30日 AFP】29日に行われた全仏オープンテニス(French Open 2020)女子シングルス1回戦で、微妙な判定に泣かされて敗れたクリスティーナ・ムラデノビッチ(Kristina Mladenovic、フランス)が、サッカーで採用されているビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)のようなシステムの導入を訴えた。
ラウラ・シグムンド(Laura Siegemund、ドイツ)との1回戦に臨んだムラデノビッチは第1セット、ゲームカウント5-1でセットポイントを一つ握った場面でポイントを返されたが、相手は2回バウンドした後のボールをすくい上げたように見えた。しかし主審はこれを見逃し、抗議も受け入れられなかったムラデノビッチはそこから急失速して5-7、3-6で敗れた。
試合後、リプレー映像を確認する仕組みをテニスにも導入すべきではないかと問われたムラデノビッチは「そうなったら素晴らしいと思う」「人間がカメラに置き換わるのは悲しいけど、人はミスをするもの。審判がどうして見逃したのか分からない。残念ながら彼女(審判)はローラン・ギャロス(Roland Garros、全仏オープン)に残り、私にはそれができない」と話した。
しかし、ムラデノビッチは落胆しながらも、2回ボールが跳ねたことを自ら申告しなかったシグムンドを責めず、「言い出していれば、ツアーでも最高のフェアな選手になれたけど、残念ながらそうはしなかったし、私も期待はしていなかった」と話している。
勝利したシグムンドは、言わなかった理由について「あの場面では全力でボールを追いかけていた。その中で、『2回バウンドしていました』と言って、後で見返してそうじゃなかったら自分に腹が立っていたはず」「微妙な判定だったけど、そのために審判がいる。私よりも、審判の方が正確に状況を判断できる確率は高いと思う」とコメントした。
シグムンドも、微妙な判定をコート脇で見直し、必要であれば変更できるようになるリプレー検証の導入には賛成で、「すぐに見直せる装置があればどんなスポーツでも良いことだと思う」と話している。
しかしその一方で、物議を醸す場面の前にも、ムラデノビッチには第1セットを終わらせる機会が数多くあったと主張し、「彼女の不満は理解できるし、私に文句を言いたい気持ちも少しは分かるけど、審判に文句を言うべきだと思う」「他にもチャンスはいっぱいあった。判定ミスはスポーツに付きもの」とコメントした。(c)AFP/Dave JAMES