【9月30日 AFP】アルメニアは29日、係争地のナゴルノカラバフ(Nagorno-Karabakh)をめぐるアゼルバイジャンとの激しい戦闘で、アゼルバイジャンを支援するトルコの戦闘機がアルメニア軍機1機を撃墜したと発表した。トルコはこの主張を全面的に否定している。

 アルメニア系住民が多数を占めるナゴルノカラバフは1990年代初め、アゼルバイジャンからの独立を宣言。以後帰属をめぐり争いが続いている。今月26日からは3日間にわたり激しい軍事衝突が続き、これまでに100人近くが死亡。両国は停戦の呼び掛けを無視し、双方とも相手側に大きな損失を与えたと主張している。アゼルバイジャンの友好国であるトルコがアルメニアに対し直接の軍事行動を取れば、事態は大幅に激化することとなる。

 アルメニア国防省は29日、同国のスホイ25(Su25)戦闘機1機がトルコのF16戦闘機に撃墜され、パイロット1人が死亡したと発表。トルコ機はアルメニア機を撃墜した際、アゼルバイジャン軍用機がアルメニアの民間人居住地を爆撃するのを支援していたと説明した。

 トルコ大統領府通信局のファフレッティン・アルトゥン(Fahrettin Altun)局長はこの主張を「全くの虚偽」と一蹴。「アルメニアは、くだらないプロパガンダで策を弄(ろう)するのでなく、占領地から撤退すべきだ」と述べた。アゼルバイジャン国防省の報道官もアルメニアの主張を「さらなるプロパガンダのうそ」と評した。(c)AFP/Mariam HARUTYUNYAN with Emil GULIYEV in Baku