【9月29日 AFP】フランスのバルバラ・ポンピリ(Barbara Pompili)環境相は29日、「われわれの野生動物に対する姿勢が変化した」として、国内のミンク農場の他、移動式サーカスでの野生動物の使用、水族館でのイルカとシャチの繁殖を「段階的に」禁止すると発表した。

 仏国内にはイルカショーを行う水族館が3か所あるが、今後は繁殖や新たにイルカやシャチを迎え入れることができなくなる。

 ミンク農場の閉鎖と野生動物の娯楽目的での使用禁止の具体的な時期については、ポンピリ氏は「数年後」と述べるにとどめ、明言しなかった。

 仏毛皮産業がこれらの計画に反発するのは必至で、同産業は近年、毛皮を使用しない高級ファッションブランドに対し決然と抵抗を続けている。

 ポンピリ氏によると、国内のサーカスでは現在、約500匹の野生動物が使われているという。

 同氏はまた、サーカス団とイルカショーを行う水族館が禁止措置に対応できるよう、政府が最大で800万ユーロ(約9億8000万円)の援助を行う予定だと明らかにした。

 ポンピリ氏は、「(サーカス団には)違う形で再出発するよう、お願いをしている」と述べ、「支援を必要とする時、政府は寄り添って支えていく」とした。

 欧州では20か国以上が娯楽目的に動物を使用することを禁止、もしくは厳しく制限している。(c)AFP