【9月30日 Xinhua News】中国江蘇省(Jiangsu)塩城市(Yancheng)で26日、中国海洋石油集団(中国海油、CNOOC)が独自に設計、建造する液化天然ガス(LNG)タンク4基の屋根上げ作業が完了した。このLNGタンクは1基当たりの容積が22万立方メートルと中国最大、一度に建設される規模としても中国最大を誇るLNG国家備蓄基地であり、中国のLNGタンク建造に関するコア技術が新たな段階に進んだことを示している。

 大型LNGタンクの屋根を空気の力で上部まで押し上げる工程は、タンク建造において技術的に最も難しく、最も高い安全率が求められる作業となっている。今回屋根上げ作業を完了したLNGタンクは容積の国内最大記録を塗り替えている。一般的な容積16万立方メートルのタンクに比べると、屋根の重量は30%、面積は1千平方メートル近く増えており、今回の作業ではサッカーコートほどの広さがある重さ940トンの屋根を空気の力で地面から最上部まで押し上げた。

 江蘇のLNGプロジェクトは19年5月に着工。22年の稼働を予定しており、天然ガスの生産・供給・貯蔵体制構築に向けた国の重点プロジェクトであり、中国海油が華東地域で展開する千万トン級の処理能力を持つLNG備蓄基地となっている。完成後は、中国最大規模のLNG備蓄基地となり、中国の天然ガスに関する緊急対応やピークシフトの能力が大幅に向上する見通し。また、パイプラインやタンクコンテナ、タンク車、タンク船などで華東地域と中部地域向けにクリーンエネルギーを供給することにより、二酸化炭素排出を年間7500万トン削減することが可能で、この数字は年間2千万本の植樹で得られる効果に相当する。(c)Xinhua News/AFPBB News