■需要増で環境への影響懸念

 だが、環境保護活動家らは需要が拡大する中、ネズミの捕獲によって環境被害が起こることを懸念している。

 ネズミは通常、穀物や果物、草、昆虫などを食べて太っているため、トウモロコシ畑で捕獲する。作物の刈り入れが終わると、ネズミの穴を見つけるため草を燃やしてわなを仕掛ける。

「これによって森林内の生態系の多くが破壊されている」と指摘するのはバラカ(Balaka)を拠点とする環境保全団体「アジトナ・デベロップメントサービス(Azitona Development Services)」の幹部ダンカン・マフウェセサ(Duncan Maphwesesa)氏だ。

 だが、伝統を断つことは難しい。

 ミュージシャンのルーシャス・バンダ(Lucius Banda)さん(50)は子どもの時、バラカの田舎でネズミ捕りをした冒険話を語ってくれた。

 バラカ選出の国民議会議員を過去2度にわたり務めたバンダさんは「村の男の子は、ネズミ捕りのやり方を3歳の時から習う」と語った。

「村ではこれは仕事ではなく、むしろ少年少女が楽しんで行う、ある種の娯楽だった」とバンダ氏は言う。「今でも私はネズミを食べるが、他の何よりも感傷を誘うものだ」

 映像は7月と8月に撮影。(c)AFP/Jack McBRAMS