【9月29日 Xinhua News】中国の陝西省(Shaanxi)考古研究院は24日、同省楡林市(Yulin)府谷県(Fugu)にある寨山(さいざん)遺跡で、竜山時代(新石器時代後期)から夏王朝初期の石峁(シーマオ)文化に属する大型墓地を発見したと明らかにした。発掘済みの墓葬21基には明らかな等級の違いがみられ、約4千年前に出現した中国の初期国家の起源や発展類型、過程を研究する上で重要な墓葬資料になる。

 寨山遺跡は同県田家寨鎮(Tianjiazhai)王沙峁(ワンシャーマオ)村にある石城遺跡で、面積は約100万平方メートル。陝西省、山西省(Shanxi)、内モンゴル自治区(Inner Mongolia Autonomous Region)の境界線上に位置し、石峁遺跡の北東約60キロの地点にある。2015年に発見され、同研究院と楡林市文物(文化財)保護研究所が直ちに全面的な発掘調査を実施した。竜山時代の重要な石城集落1カ所が含まれ、城内の面積は約60万平方メートルあることが分かった。

 寨山発掘プロジェクトの責任者、邵晶(Shao Jing)氏によると、これまでに発掘を終えた石峁文化期の墓21基は、いずれも長方形の竪穴式土坑墓で、多くは東西方向に向け築かれ、玉器や陶器、石器などが多数出土した。うち比較的規模が大きい3基は副葬品も多く、複雑な構造をしていた。女性の殉葬、玉器の副葬、半月型の壁龕(へきがん)の発見、ほぼ同様の組み合わせのふた付き土器の出土などは、全て石峁文化の特徴を示しているという。

 邵氏は、今回の発見により石峁文化の大型墓地の全容が初めて明らかになったと語った。河套地域(中国北西部で黄河上・中流が「几」字形に湾曲する地域)で初めて見つかった等級区分が明確な竜山時代の墓地だとし、これまでに発見された朱開溝、新華、神圪墶梁(しんぎつたつりょう)、石峁など各遺跡とともに石峁文化の墓葬形式の基本的枠組みと典型的な特徴を構成していると説明。石峁文化の内容を深く理解し、その政治体制を研究する上で、貴重な考古学資料になると語った。(c)Xinhua News/AFPBB News