【9月29日 AFP】メキシコの首都メキシコ市で28日、全国レベルでの妊娠中絶合法化を要求する女性ら数百人がデモ行進し、行く手を阻んだ女性警官らと衝突した。

 デモは安全な避妊や妊娠中絶を呼び掛ける「国際セーフ・アボーション・デー(International Safe Abortion Day)」にちなんで行われた。

 AFP記者によると、デモの参加者らは市内の歴史地区周辺に集結して中央広場に向かったが、盾を持った女性警官らに阻止されたという。デモ隊の一部は行進しながらペンキを噴射し、警察はこの参加者らに対して唐辛子スプレーを使用した。市当局者は地元テレビに対し、複数の警官が軽傷を負ったと明らかにした。

 人口1億2800万人のメキシコでは、首都メキシコ市と南西部オアハカ(Oaxaca)州以外では妊娠中絶は違法とされており、デモの参加者らは全国的な中絶合法化を要求した。

 メキシコでは女性への暴力が増加傾向にあり、フェミニスト団体らは姿勢を強硬化させている。公式統計によると、メキシコでは1日平均10人の女性が殺害されており、加害者が罰せられないケースも多いという。(c)AFP