【9月29日 AFP】英国人の現代美術アーティスト、サシャ・ジャフリ(Sacha Jafri)さん(44)が、アラブ首長国連邦(UAE)ドバイ(Dubai)にある高級ホテルの舞踏室で、巨大絵画の制作に取り組んだ。

 舞踏室の床一面に置かれたキャンバスの大きさは、2000平方メートル弱。ジャフリさんは「Journey of Humanity(人類愛の旅、の意)」と題したこの作品で、キャンバスに描かれた世界最大の絵画としてギネス世界記録(Guinness World Records)の認定を目指している。絵画は今週完成、分割され、60枚の額装された作品になる。

 絵画は、ジャフリさんのプロジェクト「Humanity Inspired(インスパイアされた人類愛、の意)」の一部。ジャフリさんはこの作品によって3000万ドル(約32億円)を集め、世界中の貧困地域の子どもたちの健康と教育に役立てることを目標としている。さらに、分割された作品を来年2月にオークションに出品し、この資金額を2倍にしたいという。 

「(落札者は)史上最大の絵画の一部を所有することになるが、(単なる作品ではなく)歴史の一部、ひいては人類愛の一部を所有することになる」と、塗料が飛び散ったジーンズとシャツ姿でジャフリさんはAFPに語った。

 最新作の制作に要した時間は7か月。1日18~20時間のペースで、5000リットル以上の塗料、約1000本の絵筆やはけを使い、300層近く塗り重ねてきた。作品の一部として参加するため、140の国々の子どもたちもオンラインで自分の絵を送った。

「大変な旅だった」とジャフリさん。

「この作品が描いているのは、地球の魂、自然、人間、愛し育む母親と導き守る父親。子どもたちがそうしたものに一生を通じて導かれ、安全で、愛されている感覚や勇気を得て、翼を伸ばし、夢をかなえ、太陽系へといざなわれる様子だ」とジャフリさんは説明した。

 新型コロナウイルスが子どもたちに及ぼす影響をはねのけるため、人々をつなぐことに全力を傾けてきたと言う。

「想像してみてほしい。私たちがすべての無意味なことをやめ、一つの世界、一つの魂、一つの地球を実現すれば、人間に何ができるかを」とジャフリさんは語った。「自分の目の前にあるものと完全に絡み合って、一つになってほしい」 (c)AFP/Dana Moukhallati