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【9月29日 AFP】旧ソビエト連邦のアルメニアとアゼルバイジャンが領有権を争うナゴルノカラバフ(Nagorno-Karabakh)で起きた軍事衝突では28日も激しい戦闘が続き、死者は民間人11人を含む95人に増加した。国際社会は戦闘の停止を要求。一方、地域大国であるトルコは、アルメニアに対し好戦的な発言をしている。

 アルメニアとアゼルバイジャンは、ナゴルノカラバフの領有権をめぐり数十年にわたり対立。ナゴルノカラバフは1990年代初めにアゼルバイジャンからの独立を宣言したが、独立を認めている国はない。独立宣言時の紛争では約3万人が死亡。2016年と今年7月にも死者を出す軍事衝突が起きた。

 ナゴルノカラバフの防衛当局によれば、28日には戦闘員53人が死亡し、カラバフ側部隊の死者は計84人となった。民間人の犠牲者はアゼルバイジャン側9人、アルメニア側2人の11人に上る。

 アゼルバイジャン政府は同国軍部隊に死傷者が出たと発表していないが、アルメニア系分離派当局は焼け焦げた装甲車や血まみれで黒焦げとなった迷彩服の兵士の遺体を映した映像を公開。遺体はアゼルバイジャン兵だと主張している。

 イスラム圏のアゼルバイジャンとキリスト教徒が人口の多数を占めるアルメニアの間で起きた衝突は、アルメニアと軍事同盟を結ぶロシアやアゼルバイジャンの友好国であるトルコなどの周辺国を巻き込む恐れがある。トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領はアルメニアに対し、ナゴルノカラバフの「占領」停止を要求した。

 外交筋がAFPに語ったところによると、国連安全保障理事会(UN Security Council)は29日、ドイツとフランスの要請を受け、ナゴルノカラバフでの衝突に関する非公開の緊急会合を開く予定。

 映像はアルメニア国防省が28日公開。(c)AFP/Mariam HARUTYUNYAN with Emil GULIYEV in Baku