【9月29日 AFP】世界的に有名なワイン産地、米カリフォルニア州ナパバレー(Napa Valley)とソノマバレー(Sonoma Valley)で28日、強風にあおられた山火事に見舞われ、数万人が避難を余儀なくされた。

 カリフォルニア州森林保護・防火局(Cal Fire)によると、空がくすんだオレンジ色に染まる酷暑の中で、山火事は「危険な速度」で拡大。ブドウ畑や建物などおよそ4500ヘクタールが焼失した。まったく鎮火できていないという。

 消防局長のトニー・ガーズナー(Tony Gossner)氏によると、シャトー・ボスウェル(Chateau Boswell)やカステロ・ディ・アモロサ(Castello di Amorosa)の一部などの著名なナパ郡のワイナリーが焼失。ソノマ郡最大都市のサンタローザ(Santa Rosa)の周辺の建物にも「多大な損失」が出たという。

 セントヘレナ(St Helena)近郊にブドウ畑を所有するタック・ベクストファー(Tuck Beckstoffer)氏は、ワイン専門誌「ワイン・スペクテーター(Wine Spectator)」に対し、「昨夜、ワイン醸造所は焼失を免れたが、それ以外は何もかも失った」と述べた。

 当局によると、山火事は草木が乾燥しているため、丘陵地で「爆発的な勢いで拡大」しており、住民3万4000人近くに避難を命じた。さらに、1万4000人に避難の準備をするよう指示したという。(c)AFP/Samuel CORUM / with Andrew MARSZAL in Los Angeles and Glenn CHAPMAN in San Francisco