【9月29日 AFP】全仏オープンテニス(French Open 2020)は28日、男子シングルス1回戦が行われ、予選勝者のロレンツォ・ジュスティーノ(Lorenzo Giustino、イタリア)が大会史上2番目に長い6時間5分の死闘の末に、コランタン・ムテ(Corentin Moutet、フランス)を0-6、7-6(9-7)、7-6(7-3)、2-6、18-16で退けた。

 世界ランク157位のジュスティーノは、27日から持ち越されて合計3時間にも及んだ最終セットを制し、四大大会(グランドスラム)本戦およびツアーレベルにおけるキャリア初勝利を飾った。

 この試合のポイント獲得数ではムテが242-217で上回ったが、2004年にファブリス・サントロ(Fabrice Santoro)氏とアルノー・クレマン(Arnaud Clement)氏のフランス勢対決が記録した大会史上最長時間に28分にまで迫った長丁場の試合では、29歳のジュスティーノに軍配が上がった。

 3回戦進出を懸けて次戦は大会第12シードのディエゴ・シュワルツマン(Diego Schwartzman、アルゼンチン)に挑むジュスティーノは、これで昨年以上にして2020年シーズンではこれまでの倍額となる、少なくとも8万4000ユーロ(約1000万円)の賞金を確保することになった。

 ジュスティーノは試合後、「最後は最もアグレッシブに戦い、勝利を追い求めた方が勝った」とすると、消耗戦になったにもかかわらず「完璧」な試合だったと付け加えた。「どちらも負けたくなかったはず。重要な場面で互いにミスはしなかった。すごく堅実だったし、最大の勝負どころでは最高のテニスがプレーできた」

「だから、もちろん第5セットでは18-16という内容になったが、最後はとにかく超アグレッシブにいったよ。つまり、ウイナーを狙っていったんだ。なぜなら、相手は僕に勝たせるつもりはないと分かっていたからね」

 一方、昨年の全仏と同様に今年の全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2020)でも3回戦まで進出していた世界71位のムテにとっては、屈辱的な試合となり、「心境はどう言えばいいかな。僕らは本当に長い試合を戦ったからよく分からない。今は体の感覚が鈍っている。放心状態だ」とコメントした。(c)AFP