【9月29日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は28日、自身が長年にわたり連邦所得税をほとんど納めていなかったとの報道を虚偽と否定した。民主党の大統領候補ジョー・バイデン(Joe Biden)氏との初のテレビ討論会を翌日に控える中、トランプ氏はこの突然の新疑惑発覚により揺さぶりをかけられている。

 米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)は27日、トランプ氏が長い間公表を避けてきた納税申告書に基づいた情報として、同氏の連邦所得税納付額は2016年、17年にはわずか750ドル(約7万9000円)、それ以前の15年間のうち10年はゼロだったと報道。大富豪を自称するトランプ氏は急所を突かれた形となった。

 トランプ氏は28日、ツイッター(Twitter)への投稿で「2016年の選挙中と同じく、フェイクニュースメディアは違法に取得した情報で、私の税金などあらゆるくだらないことを持ち出している」と主張。「私は数百万ドル(数億円)もの税金を納めたが、他の誰もがそうであるように、減価償却と税額控除を受ける資格があった」と説明した。

 しかしニューヨーク・タイムズ紙は納税申告書からの情報として、トランプ氏が巨額の納税を回避できた理由の一つに、成功を収めているとされるゴルフ場などの事業が実際には巨額の損失を出していたことがあったと伝えている。

 27日に公表された複数の世論調査ではバイデン氏が引き続き優勢となっており、トランプ氏は29日に米オハイオ州クリーブランド(Cleveland)で行われる初の討論会でいっそう守勢に立たされることとなった。(c)AFP/Sebastian Smith