河北省崇礼区、スポーツリゾート産業の発展に力を入れる
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【9月29日 People’s Daily】8月の北京の西北は爽やかな秋晴れの日が続く。
河北省(Hebei)張家口市(Zhangjiakou)崇礼区(Chongli)の住民、56歳の温昌(Wen Chang)さんは、朝早くから職場の通勤車に乗って出勤する。バスは彼の職場である「太舞スキー村」行きだ。
ここはかつて温昌さんの村があった。かつて、温昌さんは他の村民と共に、泥レンガの家に住み、白菜を植えて生計を立てていた。しかし、山間部は水が不足しがちで、収穫は天任せだった。
後に、質の高い天然のスキー資源を利用して、村にはスキー場が建設された。温昌さん一家は立ち退き補償金を得て、崇礼城区に家を買った。村の跡地にはスキー村ができ、2015年の開業以来、単独施設としてのスキー場からスキー場・ホテル・バー・レストラン・ファッション・ウインタースポーツ用品など、ウインタースポーツに関する産業を集積した「村」となった。
ウインタースポーツ産業が盛んになると、地元住民にも就職のチャンスが増えた。70戸近くの村民のうち、どの家でも家族の一人はスキー場で働くようになった。温昌さんはスキー場の食堂で調理師をしている。彼の2人の娘も大学卒業後スキー場や旅行会社で就職し、収入はさらに増えた。
太舞スキー村では四季折々の風景を楽しむことができ、今はスキーシーズンではないが登山客が多く訪れる。スキー村電気部門の仝海涛(Tong Haitao)主管は現在、山裾の芝生の音響設備を調整中である。「あと数日すれば、ここで屋外ロードレースが開催され、観光客がさらに増えるかもしれません」と仝海涛さんは話す。
崇礼区は2022年の北京冬季オリンピックで雪上プログラムのメイン競技場となる予定で、スキー場と関連施設が急ピッチで建設中だ。
冬季オリンピックのチャンスと美しい自然の風景の力を借りて、崇礼区は近年冬のスキーと夏の屋外運動を主力としたスポーツレジャー産業を大いに発展させている。
北京がオリンピック招致を成功させて以来、崇礼区は新しく造林をすすめ、森林率は52.38%から67%に上昇した。北京に近く、山に囲まれて自然が豊かな崇礼区は近年、雪のシーズン以外の観光でも人気になりつつある。特に2017年以来、屋外スポーツや登山ロードレース、音楽フェスなどの活動が観光客を引きつけている。去年のサマーシーズンに太舞スキー村を訪れた観光客はのべ20万人あまりとなり、冬のスキー客とほぼ同水準を保つ。
一年を通して観光シーズンとなったことで、地元住民にはチャンスが与えられた。仝海涛さんはもともと山東省(Shandong)青島(Qingdao)に出稼ぎに行っていたが、地元で就職できるチャンスが増えたために帰郷を決めた。最初は高圧線など電気設備の技師として働いていたものの、音楽フェスや屋外スポーツなどのプログラムが始まると、照明やテレビ画面、音響などの設備ができる人材が必要になり、キャリアアップにつながったのだという。(c)People's Daily/AFPBB News