【9月28日 AFP】中国の大学が、女性は「誘惑にあらがうのが難しい」ためレイプ被害に遭うと記載した冊子を学生に配布し、ソーシャルメディア上で非難の的となっている。

 問題とされたのは、浙江(Zhejiang)省にある中国美術学院(China Academy of Art)が新入生向けに発行した「安全の手引き」。大学構内では教室などの公共の場や学生寮で性暴力の被害に遭う危険があると注意を呼び掛ける内容だ。

 だが、女性がレイプ被害に遭うのは「美人で、物事をあまり深く考えず、臆病で無力なため自衛できない」からであり、また「自制心が弱く、誘惑にあらがうのが難しい」ためだと記された箇所が先週インターネット上に投稿され、猛反発を招くこととなった。

 この「安全の手引き」には、「(女性は)きれいな服を着るのが大好きで、物欲にまみれた生活をする」とも書かれていた。

 中国のソーシャルメディアには、「たとえ裸で走り回っている女性がいたとしても、レイプしていい理由にはならない」などの怒りの声があふれた。

 中国美術学院は25日、地元メディアに対し、ネット上に投稿された箇所は「文脈を無視して引用された」と釈明し、冊子を擁護した。

 中国でもセクハラ告発運動「#MeToo(私も)」が広がり始めた中、政府は今年5月に可決・成立した同国初の「民法典」でセクシュアルハラスメント(性的嫌がらせ)の定義を拡大するなど、対策を強化している。

 こうした中、今月初めに同様の「安全の手引き」を発行した東南部の広西大学(Guangxi University)も、「性的な誘惑をかき立てないよう」大学構内では「露出の多い」服装をしないよう女子学生に注意を呼び掛けたことから、やはりインターネット上で激しい非難にさらされた。(c)AFP