■口コミで広がる抵抗

 フィッシャートリンゲイルさんは6月、トランプ氏のオクラホマ州タルサ(Tulsa)での選挙集会の座席を参加する気はないのにまとめてオンライン予約し埋めてしまおうという大勢のティックトックユーザーの計画に加わった。

 テレビ放映された集会では空席が目立ち、トランプ陣営に恥をかかせた一方、ティックトックの若いユーザーたちは自信を得た。

 フィッシャートリンゲイルさんは「(トランプ氏は)怒ったと思う」と述べ、これが、トランプ氏がティックトックを毛嫌いする理由の一つだと指摘する。

 2018年に世界進出を果たしたティックトックは、中国国内のみでサービスを展開する「抖音(Douyin)」とは完全に分離している。企業情報によると、現在米国のティックトック月間アクティブユーザーは約1億人で、その半数は同アプリを毎日使用しているという。

 ティックトックはポップミュージックに合わせて15〜60秒のパロディー、メッセージ、ダンス、コメディー動画などを投稿できるフォーマットを提供。さらに各ユーザーが最も興味を持ちそうなコンテンツをアルゴリズムで特定することで急速に成功を収めた。

 テキサス州ヒューストン(Houston)でマーケティング会社を経営する30代のサーディア・ミルザ(Saadia Mirza)さんは、「トランプ氏が気に入らないのは、ティックトックのバイラリティー(口コミなどで人気が拡散すること)の要素だ。彼はこのアプリ上でつくり出される物語をコントロールできない。把握できないが故に、彼はこれを恐れている」と述べた。

 ティックトックを利用する動機についてミルザさんは、「若者や私と同世代の人々さえもが意見を交換していることは素晴らしい」「他人から学ぶことができる」と説明した。

 ベビーシッターでコメディアンのブリタニー・タイランダー(Brittany Tilander)さん(29)は、トランプ氏がティックトックを攻撃するのは、自身がその他の問題を解決できていないことから「非常にうまく気を紛らわす」ためだと指摘。「(新型コロナウイルスの)流行が続き、山火事が発生し、失業率は相変わらず高いうえ、反人種差別運動も起きた。大統領選挙の年にトランプ氏にとって(ティックトック問題の)優先順位は実際には低いはずだ」と述べた。(c)AFP/Julie JAMMOT