【9月28日 AFP】多数のクジラが打ち上げられたオーストラリア南部のタスマニア(Tasmania)島で27日、数百頭のクジラの死骸の中から1頭の生きたクジラが見つかり、海に返された。生き延びたクジラはこれで110頭となった。

 タスマニア島西部の起伏が激しく人けの少ない沿岸地帯の湾で先週、ゴンドウクジラ約470頭の打ち上げが確認された。一度に打ち上げられたクジラの数として同国史上最大規模で、大規模な救助活動が行われてきた。

 タスマニア州の環境当局者はAFPに対し、群れが最初に発見されてから6日後に生きたクジラが見つかったのは「実に驚くべきことだ」と振り返り、そのクジラは海に返したと述べた。

 連日100人以上が冷たい海で救助活動を行ってきたが、ボランティアや環境活動家の多くが活動を切り上げた。

 10キロメートルの海岸線に300頭以上のクジラの死骸が見つかっている。当局は27日、活動の主眼を死骸の処理に移し、クジラの死骸をボートで引っ張って沖合に運ぶ作業が始まった。今後数日かけて死骸を沖合に投棄する。

 海に戻った後、再び打ち上げられるクジラもいるといい、当局は同地域で今後さらに打ち上げられたクジラが見つかる恐れもあるとしている。

 今回の打ち上げの原因は分かっていない。(c)AFP