【9月27日 AFP】ブラジル・アマゾン(Amazon)の先住民カヤポ(Kayapo)の長老で、著名な熱帯雨林保護活動家として知られるラオーニ・メトゥティレ(Raoni Metuktire)氏(90)は26日、熱帯雨林に甚大な被害を与えた森林火災の責任は先住民にあると発言した、同国のジャイル・ボルソナロ(Jair Bolsonaro)大統領を非難した。

 ボルソナロ大統領は22日の国連総会(UN General Assembly)の演説で、自身の環境政策を擁護するとともに、森林火災は先住民らによる伝統的な焼き畑農業が主な原因だと述べ、物議を醸した。

 森林火災は大規模農業のための土地の伐開が主な原因だと主張する環境活動家らは、ラオーニ氏同様、ボルソナロ氏の主張にすぐさま反論している。

 ニュースサイトG1によると、世界中を旅しながらアマゾンの危機に関する啓発活動を行っていることで知られるラオーニ氏は、健康診断のため訪れていた中西部シノプ(Sinop)で記者団に対し、「ボルソナロ氏は先住民が地球に火を放っていると話していたが、それはうそだ。そうしているのは農業従事者たちだ」「彼らの一部は森に危害を与えている。伐採業者や金採掘業者も火を放っている」と述べた。

 ブラジルのアマゾンでは昨年、森林消失面積が85.3%増加。過去最大の1万123平方キロに上り、中東レバノンの面積に匹敵する規模となった。

 現時点では今年は消失面積が約5%減少しているが、一方で森林火災の発生件数は12%増の7万1673件となっている。(c)AFP