【9月27日 AFP】新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)で多くの国で渡航制限が敷かれる中、タイに「飛行機カフェ」が登場した。空の旅を疑似体験する機会を提供している。

 沿岸都市のパタヤ(Pattaya)では、タイ国際航空(Thai Airways International)の退役機をカフェとして活用。機内には、ファーストクラスの座席で快適にコーヒーを飲む人々や、頭上の荷物棚を背に写真を撮る人々の姿が見られた。

「乗客たち」の手元には搭乗券も。操縦室のツアーに参加することもできるという。

 ある乗客(26)はAFPに対し「このカフェでは、ファーストクラスに座ることができます。機長を装って操縦室をぶらぶらすることもね」「とても楽しいです」と語った。

 ある女性(25)は今回の体験は、ウイルスの流行で渡航制限がかかる3月以前の旅行にも負けないくらい良かったと語った。「ファーストクラスの座席にいると、実際に飛行機に乗って空の旅をしているような感覚になります」

■機内食風の食事も

 バンコクのタイ国際航空本社のカフェでは、客室乗務員がカルボナーラやタイ風のステーキをプラスチック製の器で提供している。訪れた客らは、機内食すら恋しがっているようだ。

 しかし家族で訪れた男性(38)にとっては、この体験は単なる食事以上のものだという。

 男性は、「よく旅行に出かけていました。家にいなければならないのは、気がめいります」と語った。「(このカフェは)なくしてしまったものを思う気持ちを和らげてくれます」 (c)AFP