【9月25日 AFP】UCIロード世界選手権大会(2020 UCI Road World Championships)は24日、エリート女子個人タイムトライアルが行われ、前回女王のクロエ・ダイガート(Chloe Dygert、米国)がクラッシュして棄権する中で、オランダのアンナ・ファン・デル・ブレッヘン(Anna Van der Breggen)が世界選手権の同種目で初の金メダルに輝いた。

 イタリア・エミリアロマーニャ(Emilia Romagna)州イモーラ(Imola)で開催された今種目では、優勝候補のダイガートが全31.7キロメートルの中間地点でトップタイムを記録していたが、バランスを崩してコースを外れるとガードレールを乗り越えて溝に突っ込んだ。

 米国自転車連盟(USA Cycling)は、「ダイガートは世界選手権で2度目の個人タイムトライアル制覇を目指していたが、ガードレールに衝突してレースを棄権した。分かっているのは、彼女には意識があり会話もできるということだけだ」とすると、「イタリアの現地にいるコーチ陣とクロエのチームに連絡を取っている。様子が明確に確認され次第、状態に関する情報を公表する」と述べた。

 今回のアクシデントは、23歳のダイガートがマーレン・ロセール(Marlen Reusser、スイス)に26秒差、ファン・デル・ブレッヘンに36秒差をつけて圧倒的にリードしていた時に起き、レースの行方は分からなくなった。

 すると、欧州ロードレース選手権(European Road Cycling Championships)女王のファン・デル・ブレッヘンが後半に形勢を逆転。最後はローセルを約15秒差の2位、同胞のエレン・ファン・ダイク(Ellen Van Dijk)を約31秒差の3位に抑えて優勝した。

 ファン・デル・ブレッヘンは2016年のリオデジャネイロ五輪ではロードレースで金メダル、個人タイムトライアルでは銅メダルを獲得。2018年にはロードレースの世界タイトルを獲得したが、ここ数年の世界選手権のタイムトライアルでは2位が続いていた中で雪辱を果たす結果となった。(c)AFP