【9月25日 AFP】米ニューヨーク州のアンドルー・クオモ(Andrew Cuomo)知事は24日、連邦政府の認可を受けた新型コロナウイルスのワクチンについて、審査プロセスが過度に政治化されているとの懸念から、州独自に検証を行う意向を示した。

 クオモ氏は「率直に言って、連邦政府の見解を信用するつもりはない」と記者会見で述べた。

 州保健省の指揮下で審査委員会を設置する予定だという。ニューヨーク州の今回の決定で、連邦政府のワクチンの認可プロセスに対する国民の懸念や不安が高まる可能性がある。

 クオモ氏は、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領が今週、米食品医薬品局(FDA)のワクチンの認可基準を厳格化する規定をホワイトハウスが「許可するかもしれないし、しないかもしれない」と述べたことに警戒感を示した。

 トランプ氏はFDAの計画について「政治的な動きのようだ」と述べ、自身が約束した11月3日の大統領選投票日までのワクチン提供を不必要に遅らせる可能性があると主張した。

 米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のアンソニー・ファウチ(Anthony Fauci)所長ら専門家は、ワクチンの安全性を証明するには12月までかかると見積もっており、大統領選前にワクチンの提供が可能だとするトランプ氏の主張に疑問を呈している。

 国民の多くもワクチンの認可プロセスに懐疑的だ。カイザー家族財団(Kaiser Family Foundation)の最近の調査によると、大統領選前にワクチンが無料で提供されたとしても接種しないと、米国居住者の半数以上が答えている。

 こうした信頼の欠如が最終的に新型コロナの拡大防止の取り組みを妨げる可能性があると、多くの専門家が指摘している。(c)AFP