【9月25日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は24日、先週死去したルース・ベイダー・ギンズバーグ(Ruth Bader Ginsburg)最高裁判所判事のひつぎが安置されている首都ワシントンの最高裁を訪れ、ギンズバーグ判事を追悼した。同判事は遺言として、11月の大統領選前に自身の後任を任命しないよう望んでいたため、群衆からはトランプ氏に対し「彼女の願いを尊重しろ」といったやじが浴びせられた。

 トランプ氏はメラニア(Melania Trump)夫人と共に黒いマスクを着け、厳粛な面持ちで、最高裁前の階段に安置されたギンズバーグ判事のひつぎの後ろに立った。最高裁前の道路では「彼女の願いを尊重しろ」や「彼を落選させろ」といったやじが上がったが、トランプ氏は反応するそぶりを見せなかった。

 トランプ氏が政敵に対して敬意を表することはまれだが、この日はリベラル派判事だったギンズバーグ氏を追悼するために最高裁まで出向いた。またトランプ氏はこれまで公の場でマスクを着けることがほとんどなく、民主党の大統領候補ジョー・バイデン(Joe Biden)前副大統領のマスク着用を頻繁にやゆしてきた。

 トランプ氏はギンズバーグ氏の遺志や民主党の反対を押し切り、後任判事の迅速な任命に向け動いている。(c)AFP/Jerome Cartillier and Chris Lefkow