【9月25日 AFP】オーストラリア・タスマニア(Tasmania)島の浅瀬に大量のクジラが打ち上げられている問題で、救助隊は24日、生き残ったクジラの一部を安楽死させる決断を余儀なくされた。

 起伏の激しい地形のタスマニア島西部沿岸では4日前、大量のゴンドウクジラが発見された。88頭は救出されたが、既に380頭が死んでいる。救助の可能性は低下しており、今後さらに多くのクジラが死ぬ恐れがある。

 最大で体長6メートル、体重1トンにまで成長するゴンドウクジラは、極めて社交性が高い。

 救助を拒んだり、泳げるようになった後に再び群れに戻ろうとしたりしたクジラもいて、再び浅瀬で身動きが取れなくなっている。

 これらのクジラの苦しみを取り除くため、少なくとも4頭を安楽死させざるを得ず、タスマニア環境局の海洋生物学者は、「純粋に動物愛護の考えに基づく」判断だったと説明した。

 救助隊は現在、クジラが外洋に戻れるように誘導するための特殊装備を設けた船を使用し、一部が砂に埋まっている20〜25頭のクジラの救出を重点的に進めている。

 一方、既に死んだクジラ400頭の安全な処理方法の検討も始まっている。当局者によると、クジラの死骸を放置すれば「膨れ上がった状態で浮遊する」ことになり、航海に支障を来しかねない上、湾内を汚染したり、サメなどの捕食動物が集まったりする恐れもあるという。(c)AFP/Mell Chun, with Andrew Beatty in Sydney