【9月25日 Xinhua News】中国の湖南省(Hunan)文物考古研究所は20日、同省資興市(Zixing)で見つかった後漢~両晋時代(3~5世紀)の古墓2基の発掘調査が完了したと明らかにした。墓からは青銅釜や青磁器、漢代の銅銭「五銖銭(ごしゅせん)」、陶器などの遺物30点余りが出土した。同研究所は現在、出土遺物の整理や修復、登録作業を行っている。

 古墓はいずれもれんが構造の「磚室墓(せんしつぼ)」で、前後に2メートル離れて並んでいた。同時期に築かれた墓とみられる。専門家はれんがに施されたひし形や車輪形の文様や出土品の特徴から、1800年以上前の墓と推測する。

 発掘調査隊を指揮した同研究所の沈江(Shen Jiang)氏は、青銅器や青磁器、陶器、鉄刀など遺物23点が出土した墓について、被葬者は恐らく男性だろうと指摘。中でも、煮炊き用の青銅釜がほぼ完全な状態で出土したことは注目に値すると語った。青銅釜は前漢から東晋時代に南方地域で炊事用に使われたことが史料の記載などにより判明している。

 もう1基の墓からは、五銖銭や陶器、青磁器が見つかった。沈氏は「今回の発見は、後漢から両晋時代にかけての江南地方の埋葬習慣や経済・社会の状況などを研究する貴重な考古資料になる。特に、湖南省の墓葬の年代区分や埋葬習慣を知る上で新たな情報をもたらした」と語った。(c)Xinhua News/AFPBB News