【9月24日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は23日、11月の大統領選で敗北した場合、政権を移譲すると記者団に保証することを拒んだ。民主党の対立候補ジョー・バイデン(Joe Biden)前副大統領のほか、共和党内部からも軽蔑の声が上がっている。

 ホワイトハウス(White House)での記者会見で、米国における民主主義の最も基本的な理念である大統領交代に伴う平和的な政権移譲を約束するかと問われ、「何が起きるか、見てみなければならないだろう」と答えた。

 トランプ氏は続けて、「あの投票について私が強く不満を訴えてきたことは知っているだろう。あの投票は大惨事だ」と主張。「あの投票を取り除いてしまえば、とても平和になるだろう。──率直に言えば、政権移譲など起こらない。継続があるだろう」と語った。

 トランプ氏のこの発言は、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)に伴って大幅な増加が見込まれる郵便投票が無効化されれば、トランプ政権が継続することになると示唆したものとみられる。

 世論調査では、バイデン氏がトランプ氏に対して安定したリードを保っている。バイデン氏は、トランプ氏の発言に関する記者らの質問に不信感を表明。「私たちは一体どこの国にいるんだ?」「トランプ氏の発言は全く筋が通っていない。何と言えばいいか分からない」と述べた。

 トランプ氏に批判的なことで知られる共和党のミット・ロムニー(Mitt Romney)上院議員はさらに踏み込み、政権移譲は米憲法の保障する中核であり、それを確約しないというのは「想像を絶することで、受け入れられない」と指摘。「民主主義の基本は、平和的な権力移譲だ。それがなければ、ベラルーシになる」とツイッター(Twitter)に投稿した。(c)AFP/Sebastian Smith