【9月24日 AFP】先日行われた自転車ロードレースのツール・ド・フランス(2020 Tour de France)に出場し、現在ドーピング捜査の対象となっているアルケア・サムシック(Arkea-Samsic)のナイロ・キンタナ(Nairo Quintana、コロンビア)は23日、チーム関係者2人の身柄が拘束されたものの、自身に「隠すことは何もない」とコメントした。

 アルケア・サムシックのチームリーダーで、2014年のジロ・デ・イタリア(2014 Giro d'Italia)王者のキンタナは、捜査で薬物は発見されなかったと明かしている。「ドーピング薬は見つかっていない」「自分自身、隠すことは何もないし、隠すようなものは一度も手にしていない」

 仏警察は21日、アルケア・サムシックの関係者2人を拘束しており、問題の人物は医師と理学療法士だったと報じられている。

 マルセイユ(Marseille)検察のドミニク・ロレンス(Dominique Laurens)検察官によれば、問題の2人は「私物の中に薬を含む多くの健康製品」があったとし、「とりわけドーピングと見なすことができるメソッド」を持ち合わせていたという。2人は翌22日に釈放されているが、同検察官は「捜査は継続中だ」とし、新たな展開がある可能性を示唆した。

 情報筋によると、捜索のターゲットとなったのはキンタナの弟ダジェル(Dayer Quintana、コロンビア)ら数人のライダーと、医療チームのメンバーだったとされている。

 ナイロ・キンタナは今大会、優勝したUTE(UAE TEAM EMIRATES)のタデイ・ポガチャル(Tadej Pogacar、スロベニア)に1時間以上差をつけられ総合17位でフィニッシュしており、チーム最高順位は同14位のワレン・バルギル(Warren Barguil、フランス)だった。

 検察の発表によると、選手に対して薬物や禁止される方法の処方があったか、またその使用を補助したり促したりしたかが捜査の焦点だという。ドーピング違反があった場合、最大禁錮5年と罰金7万5000ユーロ(約920万円)が科される可能性がある。(c)AFP