【9月23日 AFP】新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)による渡航制限の影響で、ロシアで代理母が出産した中国人新生児らの引き取りが滞っている。ロシア当局はチャーター機を用意して中国人の親らに迎えに来させることを検討しているという。

 中国では代理母出産が禁止されているため、代理母出産を望む中国人カップルは国外で依頼している。だが、パンデミックで国境が封鎖され、国際便の運航も停止しているため、生まれた子どもの引き取りが滞り、ロシアで中国人の実父母を待つ新生児が増加している。中には孤児院に託されている子どももいるという。

 多くの新生児が立ち往生しているロシア第2の都市サンクトペテルブルク(St. Petersburg)の当局者は22日、「中国人の親たちがロシアに来て子どもを引き取れるように、ビザの発給と、北京からの人道的な特別機の運航を検討している」と報道陣に述べた。子どもたちは全員中国名の身分証明書を持っており、順調に成長しているという。

 所得が増加し、不妊に悩むカップルが増える中国では、2016年に一人っ子政策が廃止されたことで、出産できる年齢期間をすぎた高齢カップルが息子をほしがるケースが増加。外国での代理母出産への需要が高まっている。

 ウクライナと並んで商業的な代理母出産を認めている2国のうちの1か国ロシアでは、新型ウイルスの流行で3月以来、外国人の入国を大幅に制限している。一方、ロシアやウクライナの複数の代理母出産仲介代理店によると、パンデミック発生以降、代理母出産で生まれた新生児が孤児院やアパートに大勢残されているのが見つかっており、「赤ちゃんのおり」のようだという。

 映像は代理母が出産した赤ちゃんたち。サンクトペテルブルクの孤児院で22日撮影、一部提供。(c)AFP