【9月23日 AFP】家庭用ゲーム機「ニンテンドースイッチ(Nintendo Switch)」を製造する任天堂(Nintendo)が、商品寿命を計画的に短くする「計画的陳腐化」を行っているとして22日、フランスの消費者団体が訴え出た。

 仏消費者団体UFCク・ショワジール(UFC-Que Choisir)は、フランスがグリーンエコノミー(環境に優しい経済)の目標を定めた2015年の法律を根拠に任天堂を訴えた。

 寿命を短くした製品を故意に販売したとして企業や経営者が有罪となった場合、禁錮刑または年間売上高の5%以下の罰金を科される可能性がある。

 UFCク・ショワジールは昨年11月の段階ですでに、ニンテンドースイッチのコントローラーを触っていないのに勝手に動く「ジョイコンドリフト」という動作が5000人以上のユーザーから報告されているとして非難していた。

 同団体は同じ欠陥をめぐって昨年、米国でも集団訴訟を起こしているが、こちらは昨年3月に和解したと報じられている。

 任天堂フランス法人は今年1月、欠陥のあるコントローラーは保証期間を過ぎていても無償で修理すると申し出ている。しかし、UFCク・ショワジールは22日、根本的な問題が解決しておらず、「現在もわれわれの元に苦情が舞い込んでいる」と述べた。さらに「問題は過去3年間にわたっており、任天堂はただ修理するだけでなく、問題の解決に取り組まなければならない」と批判した。

 UFCク・ショワジールではジョイコンドリフトが生じる原因として、コントローラーの回路基板の早期故障と、コントローラーの密閉が不十分で汗や汚れが内部に入り込んでしまうという二つの可能性を挙げている。

 同団体によると、「被害に遭った消費者の65%が、購入から1年以内に問題が発生したと報告」しており、この現象は「1週間のプレー時間が5時間に満たないユーザーでも起きている」という。(c)AFP