【9月23日 AFP】交流サイト(SNS)最大手の米フェイスブック(Facebook)は22日、米大統領選を標的としていた中国発の偽アカウント・ネットワークの計画を阻止したと発表した。

 フェイスブックのサイバーセキュリティー対策部門責任者ナサニエル・グライシャー(Nathaniel Gleicher)氏は、同社が実施している「組織化された不正行為」対策の一環として、アカウントなどの削除を行ったことを明らかにした。米政界を標的とする中国発のキャンペーンがフェイスブックで発見されたのは今回が初めてだという。

 今回、外国への干渉を禁止する規約に違反するとして削除されたのは、155アカウント、11ページ、9グループおよびフェイスブック傘下の写真共有アプリ、インスタグラム(Instagram)の6アカウント。同社はこのキャンペーンを中国政府とは結び付けず、調査の結果、福建(Fujian)省の複数の個人とのつながりが見つかったと述べた。

 グライシャー氏によると、問題のネットワークの投稿全体で国外を標的としていたものは主にフィリピン、もう少し広範囲では東南アジアに集中しており、米国を狙ったものはわずかだったが、その中では特に米海軍艦船の動きを含む南シナ海(South China Sea)での米国の活動に言及していたという。

 東南アジアでの投稿では、南シナ海における中国の利害関係や香港問題、フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ(Rodrigo Duterte)大統領を支持する内容を扱ったものなどが見受けられたという。

 グライシャー氏によると、このネットワークは少なくとも2018年には活動を開始しているが、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領や、大統領選で対立候補となる民主党のジョー・バイデン(Joe Biden)氏に関する賛否を論じるコンテンツが現れたのはごく最近だという。

 フェイスブックによると、このネットワーク関連のページを約13万3000人がフォローし、同ネットワークのオンライングループ1つ以上に約6万1000人が参加していた。また同ネットワークが払っていた広告料は約60ドル(約6000円)のみだった。(c)AFP