【9月23日 AFP】中国西部のチベット(Tibet)自治区で、農業や畜産業の従事者らを対象に、新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)内と同様の職業訓練が強制されていると、米研究機関が22日、報告書で明らかにした。

 仏教徒が多数を占めるチベット自治区の当局は、地方部の労働者を工場での作業に従事させるこの計画について、貧困緩和策の一つと主張。習近平(Xi Jinping)国家主席が掲げる、極度の貧困を年内に撲滅するという目標に沿ったものだと説明している。

 しかし米国のジェームズタウン財団(Jamestown Foundation)の研究員らは、今回発表した報告書の中で、この「軍隊さながらの職業訓練」は、同自治区の90%を占めるチベット人に対するイデオロギーの教化と同化の一形態でもあると指摘。

 今年1~7月に訓練を受けた人は、地方部の労働者、主に畜産業者らや自給自足の農家ら50万人以上に上り、各地区に人数のノルマが課されていたとしている。

 報告書に引用されている中国政府の昨年の行動計画によると、この職業訓練計画は「労働規律、中国語、労働倫理」を教え込むことを目的にしているとされる。

 同報告書には、訓練する人数のノルマを達成した企業に50万元(約770万円)が支給されることや、畜産業者や農家に対し、家畜や農地を国営の大規模な協同組合に譲渡することが奨励されていると記されている。

 報告書の執筆者で、在米の共産主義犠牲者記念財団(Victims of Communism Memorial Foundation)の研究員のエイドリアン・ゼンツ(Adrian Zenz)氏は、「中国政府による少数民族の同化推進政策という文脈で見ると、これらの政策は、言語、文化、宗教上の遺産の消滅をもたらす可能性がある」と懸念を示している。(c)AFP