【9月22日 AFP】西アフリカ・マリの暫定軍事政権は21日、クーデター後の移行政権の大統領に元国防相を指名したと発表した。国際社会は文民大統領の任命を要求していたが、軍との強い結びつきが維持される人選となった。

 暫定軍事政権トップのアシミ・ゴイタ(Assimi Goita)大佐はテレビ演説で、元国防相のバ・ヌダウ(Bah Ndaw)氏を大統領に指名したと発表した。

 西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)は先週、「数日間で」文民大統領を選出するようマリに要求し、それが果たされなければ同国への制裁解除はないと警告していた。

 ゴイタ大佐はECOWASからの圧力を示唆して、暫定軍事政権が指名した委員会が「国際的な事情」を考慮してヌダウ氏を大統領に選出したと説明。現在までにこれについてECOWAS側からのコメントはない。

 ヌダウ氏は、先週83歳で死去したムーサ・トラオレ(Moussa Traore)元大統領の側近を務めたことのある元ヘリコプター操縦士。空軍参謀総長や軍のエンジニア部門トップ、国家警備隊の副参謀長などの要職に就いた経歴を持ち、クーデターで追放されたイブラヒム・ブバカル・ケイタ(Ibrahim Boubacar Keita)政権で国防相を務めたこともある。

 今月暫定軍事政権が各政党などと協議した移行政権の構想案は、総選挙実施までの18か月間、移行政権が統治することを取り決めている。

 ゴイタ大佐は、ヌダウ氏の宣誓就任式が25日に行われる予定だと述べた。(c)AFP/Kassim Traore