【9月21日 AFP】ギリシャ中部を先週末、ハリケーンのような暴風雨が襲い、少なくとも3人が死亡した。政府は21日、キリアコス・ミツォタキス(Kyriakos Mitsotakis)首相が被災地を視察すると発表した。

 地中海(英語では「メディテラニアン・シー」)で発生したハリケーンのような嵐は、「メディケーン」と呼ばれる。現地で「イアノス(Ianos)」と命名されたこのメディケーンにより、これまでに3人が死亡し、1人が行方不明になっている。

 首都アテネの北に位置する一帯では、浸水した建物から数百人が避難。暴風雨により、複数の家屋や商店、倉庫などに被害が出た。

 現地当局は国営テレビの取材に対し、浸水した民家は5000軒に上り、市内の3分の1で停電しているとし、復旧には少なくとも5日かかると話している。

 アテネ天文台(Athens Observatory)の研究責任者コスタス・ラグバルドス(Kostas Lagouvardos)氏によると、メディケーンはまれな現象で、分類が始まったのはほんの40年ほど前からだという。

 ラグバルドス氏はAFPに対し、メディケーンは「大西洋のハリケーンやサイクロンのように熱帯性の特徴を持つものの、大きさも強さも比較的小規模であることが多い」と説明。

 1982年以降、ギリシャを襲ったメディケーンは6つで、うち4つが2016年以降に発生。同氏の20日付の寄稿によると、イアノスは1969年以降の観測史上で最も強いメディケーンの一つに数えられるという。(c)AFP