【9月22日 Xinhua News】中国・山西省(Shanxi)に住むコレクター、趙士信さんは自宅の収蔵室で、「ここにある『弓靴(纏足〈てんそく〉の女性が履く布靴)』『放足靴』『天足靴』は、清末民初にはそれぞれ『過去の女性用靴』『現在の女性用靴』『未来の女性用靴』と呼ばれていた」と、自身が所蔵する女性用靴について一つ一つ説明してくれた。

 中国の歴史において、女性用靴は封建社会による女性抑圧の象徴とされた。宋代から女性の足を縛る「纏足」の習慣が始まり、長さ約3寸(約10センチメートル)の「弓靴」が女性に一生ついて回った。しかし、近代以降、中国で女性解放運動が起こると、「弓靴」は次第に廃れ、「放足靴」「天足靴」に変わっていった。

 幼い頃から曽祖母の「三寸金蓮」(美しい纏足を表す言葉)の弓靴を見てきた趙さんは、女性用靴の変化に興味を持ち、1990年代から各種の女性用靴や関連の古い写真、文字資料を収集し始め、やがて女性用靴を収集する専門家になった。現在、趙さんが所蔵するさまざまな材質・デザイン・用途の女性用靴は千足近くに及ぶ。

「これらのコレクションは中国の女性用靴文化を示す歴史的証拠になっており、女性の社会的地位の変遷を如実に表している。痛ましい歴史ではあるが、忘れてはならない記憶でもあるので、記録・保存されるべきだ」と趙さんは語る。(c)Xinhua News/AFPBB News