【9月21日 AFP】ロンドン・ファッションウィーク(London Fashion Week)開催中の英国で20日、ブランド「パリア ファルザネ(Paria Farzaneh)」の21年春夏コレクションが発表された。ショーは「抵抗の精神」にインスパイアされたものとなった。

 ロンドン西郊のチルターン丘陵(Chiltern Hills)で行われたショーでは、迷彩柄のジャケットやフードに身を包んだモデルらが煙の中をさっそうと歩いた。新型コロナウイルス対策で人の集まりが制限される中、実際に観客を集めて行われた数少ないショーの一つだ。

 会場ののどかな雰囲気とは対照的に、ショーにははっきりとしたメッセージが込められた。

 ショーの開催に当たりパリア ファルザネは、世界が今、大きな抵抗や混乱に直面しており、中でも山火事や人種差別への抗議といった米国での問題は近しい協力者にも影響を及ぼしたことを明らかにし、その上で「ブランドおよびコミュニティーとして、常に世界と人々を信じてきた」と述べた。

 デザイナーのパリア・ファルザネ氏(26)は、英イングランド北部ヨークシャー(Yorkshire)育ちで、イランからの移民を両親に持つ。聴衆を驚かせるような演出を好み、米国の空爆によりイランのガセム・ソレイマニ(Qasem Soleimani)司令官が殺害された日の翌日に行われた1月のショーでは、伝統的なイランの結婚式を模した演出が見られた。

 今回のショーでは、フォーマルな作品は影を潜め、ファルザネ氏が名をはせるきっかけとなった花柄やペルシャテイストの模様のよりカジュアルなストリートウエアが披露された。

 ファルザネ氏は作品を通して、自身のルーツを探るとともに多文化主義をたたえている。またファッション業界の環境への影響も強く意識し、過去には、ペットボトルや漁網を再生利用して作られたポリエステルやナイロンを作品に用いたこともある。(c)AFP