【9月21日 AFP】米国のドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領が大統領選まで2か月を切っているにもかかわらず、最高裁判所のルース・ベイダー・ギンズバーグ(Ruth Bader Ginsburg)判事の後任を指名しようとしていることをめぐり、大統領選の民主党候補、ジョー・バイデン(Joe Biden)氏は20日、「職権乱用」と非難した。与党・共和党の一部も反対している。

 上院での承認を急ぐ見通しを受けて、民主党は猛反発。トランプ氏による最高裁を永続的に右傾化しようとする試みを、必死で阻止しようとしている。

 共和党からも上院議員2人が、18日に87歳で死去したリベラル派の人気判事、ギンズバーグ氏の後任指名を急ぐことへの反対意見を表明した。

 バイデン氏は20日、ペンシルベニア州フィラデルフィア(Philadelphia)で演説。激しい選挙戦のさなかに後任選びを「強行」しようとすることで、「生々しい政治力」を行使しているとしてトランプ氏を批判した。

 バイデン氏は、「有権者たちがはっきりさせてくれると信じている。彼らはこの職権乱用を、憲法の乱用を支持しないだろう」と述べ、11月3日の大統領選が終わるまで承認投票を実施しないよう上院に呼びかけた。

 さらに、「ドナルド・トランプ氏が大統領選に勝てば、上院は彼が選んだ人物について手続きを進め、公正に判断するべきだ。しかし、私が勝った場合、トランプ大統領による指名は撤回されるべきだ」と述べ、判断を迷っている数人の共和党所属の上院議員に対して「良心に従う」よう促した。(c)AFP/Brian KNOWLTON