【9月21日 AFP】イランに対する国連(UN)の制裁が復活したと米国が一方的に宣言したことを受け、イランは20日、米国が「最大の孤立」に直面していると指摘した。主要各国は米国の宣言を認めない考えを示している。

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 ドナルド・トランプ(Donald Trump)米政権は19日、2015年の歴史的核合意において不履行があった場合の「スナップバック(対抗措置)」として定められている対イラン制裁が復活したと宣言した。米国は核合意から離脱している。核合意の他の参加国が今回の米国の宣言の法的効力を疑問視する一方で、米国は制裁を順守しない国には「責任を課す」と警告した。

 イランのハッサン・ロウハニ(Hassan Rouhani)大統領は、各国が共同してイランに圧力をかけようとする米国の戦略が裏目に出たと指摘。テレビ放映された閣議で「米国のイランに対する『最大の圧力』は、政治的・法的な側面において米国の最大の孤立に変わったと言える」と述べた。ロウハニ師はまた、「米国の要求」を不問に付し「検討する会議を開かなかった」という国連安全保障理事会(UN Security Council)の対応について、「非常に価値のある」ものだと称賛した。

 問題となっている制裁は2015年、英、中、仏、ロ、米の安保理の常任理事国5か国とドイツがイラン核合意を締結した際に解除された。しかしトランプ氏は2018年、バラク・オバマ(Barack Obama)前大統領が交渉を行った核合意の内容が不十分だったとして、米国の合意からの離脱を発表。さらに、イランに対して「最大の圧力」をかける戦略の一環として、米独自の制裁を一新し、強化する措置も講じている。

 米国は核合意の「スナップバック」を発動させるため、依然として、離脱した核合意の参加国であると主張。先月20日、国連制裁を復活させる手続きの着手を発表している。(c)AFP/Karim Abou Merhi