【9月23日 Xinhua News】中国江蘇省(Jiangsu)の太湖湖畔にある蘇州ハイテク産業開発区(蘇州高新区)通安鎮(Tong'an)の蓮華寺で16日、「軋蓮花(あつれんげ)」と呼ばれる民俗行事が開かれた。毎年旧暦7月30日に行われており、近隣住民や観光客が香をたき、幸福を祈願した。

 地元の歴史を記した「通安鎮誌」にも、この時期に人々が古寺に集まり、仏に願いを託したとの記載があり、各地の行商人の屋台がひしめく縁日のにぎわいを伝えている。「軋蓮花」の「軋」は「押し合う」という意味がある。行事は既に千年続いているという。

 現地を取材すると、蓮華寺の外は午前8時の時点で既に人でごった返し、道の両側には屋台が隙間なく並んでいた。小吃(軽食)や遊戯、伝統手工芸品などの屋台が見られ、どれも繁盛している。各地からの参拝客は、焼香をし、法話に耳を傾けるほか、竜舞や獅子舞などの伝統的芸能を楽しみ、民俗文化を堪能した。

「軋蓮花」は地元の古い言い伝えに由来する。それによると、蓮華寺の池には一匹の大蛇の妖怪が潜み、毎年旧暦7月30日に水面でとぐろを巻いて美しい蓮の花に化け「蓮の花に座ると仙人になれる」と信じる人々を飲み込んでいた。その後、科挙の試験で首席(状元)を取った王という人が秘密を見破り、石灰岩を詰めた三つの袋で民に害をなす妖怪を退治したという。(c)Xinhua News/AFPBB News