【9月20日 AFP】西アフリカのリベリアのジョージ・ウェア(George Weah)大統領は11日、このところの性犯罪事件の急増を受けて国家非常事態宣言を出し、新たな対策を指示した。

 リベリアの首都モンロビアでは先月下旬、性犯罪が警戒を要する水準で頻発している状況に関心を集めるため大規模なデモが行われていた。

 大統領府が11日に発表した声明でウェア氏は、性犯罪事件を扱う特別検察官を任命し、性犯罪者の情報を登録する制度も設ける方針を表明。また、性やジェンダーに関連する暴力事件に対処する「国家安全タスクフォース」を政府が設置すると発表した。

 内戦とエボラ出血熱に苦しんだ貧困国のリベリアで、性犯罪事件の頻発は積年の懸念事項となっている。

 2016年の国連(UN)報告書によれば、人口約450万人(当時)の同国では803件の性的暴行事件が発生し、有罪判決が出たのはその2%にとどまった。これで罪に問われないという感覚が生じたことや、14年間(1989~2003年)の内戦でレイプが日常化していた影響が現在の問題をつくり出したとされる。

 リベリアでは今年、性犯罪事件の発生件数が急増したとみられている。(c)AFP