【9月20日 AFP】ロシアの野党勢力指導者、アレクセイ・ナワリヌイ(Alexei Navalny)氏(44)は19日、階段を歩いて下りる自身の写真をインスタグラム(Instagram)に投稿し、脚が震えるものの歩けるようになったと明らかにした。

 反汚職を掲げるナワリヌイ氏は8月20日、ロシア・シベリア(Siberia)からモスクワに向かう機内で意識不明に陥り、同国の病院で2日間入院した後、独ベルリンにあるシャリテ大学病院(Charite University Hospital)に移送された。

 ナワリヌイ氏は15日に入院後初めて自力で呼吸できたとインスタグラムで明らかにしていた。その際の投稿で同氏は、自発呼吸について「驚くべきプロセスで、多くの人が過小評価している。おすすめする」と冗談を書いていた。

 ナワリヌイ氏は神経剤ノビチョクの被害を受けた後の回復状況について初めて詳しく説明。「少し前までは、人々を認識できず、どうやって話すのか分からなかった」「自分の絶望感についてどう表現したらいいか分からず、ただ黙っていた」と振り返った。

 神経剤ノビチョクは脳や主要臓器、筋肉間の情報伝達を妨げるが、医師らによると、徐々に体から抜けるという。

 回復の初期段階のことは覚えていないと話すナワリヌイ氏は、シャリテ大学病院で治療に当たった「素晴らしい医師たち」に謝意を表し、回復までの「短くはないが明確な道のり」が見えてきたと述べた。(c)AFP