【9月24日 Xinhua News】中国チベット自治区(Tibet Autonomous Region)ニンティ(林芝、Nyingchi)市ザユル(察隅)県察瓦竜郷でこのほど、研究調査チームが同自治区でこれまで発見されていなかったチョウの採集と撮影に成功した。中国のチョウ専門家、賈鳳海(Jia Fenghai)氏の鑑定により、シジミチョウ科ゴマダラシジミ属のチョウ「Phengaris atroguttata」と判明した。

 研究文献によると、同属のチョウは熱帯・亜熱帯地域に不連続かつ断片的に分布しており、チョウ類で最も独特な生物学的特性を持つ種の一つとなっている。

「Phengaris atroguttata」の1~2齢の幼虫はシソ科の植物を食べて成長し、3齢になると地面に落ち、クロアリの幼虫のホルモン臭を発して特定の種類のクロアリを引き寄せる。やって来たクロアリがこのチョウの幼虫をアリの幼虫と間違えて巣に持ち帰ると、チョウの幼虫はクロアリの巣の中で彼らの幼虫を食べ、そこで蛹化(ようか)する。この独特で厳しい生物学的特性は、生息場所に特定の種類の植物とアリが分布する良好な生態環境があることを示している。

 こうした特性が形成された原因と条件を研究することは、生態系における生物多様性の依存関係をさらに研究する上で大きな意義を持つ。(c)Xinhua News/AFPBB News