【9月19日 AFP】南米ペルーの議会(一院制、定数130)で18日、マルティン・ビスカラ(Martin Vizcarra)大統領(57)の弾劾決議の採決が行われたが、賛成に必要な票数に至らず、同氏は罷免を免れた。側近に働き掛けて汚職捜査の妨害を試みたとされる大統領は「道徳的に不適任」だとして、先週の議会で弾劾手続きを開始する動議が可決されていた。

 ビスカラ氏の抗弁で始まった議会の討論は約10時間に及び、その後の採決では、賛成32、反対78、棄権15で弾劾決議は否決された。大統領の罷免には全130議席中87の賛成票が必要になる。

 2018年に大統領に就任したビスカラ氏は、政府が人気歌手を有給の文化顧問として雇用した際の詳細を隠すよう側近に話したときの録音がリークされたことを受け、批判されていた。

 世論調査によると、ビスカラ氏と同氏による反汚職運動が一般に支持されていることは明らかで、10人中8人のペルー国民が、2021年7月の任期満了時まで同氏に大統領を続けてほしいと望んでいる。

 同氏の最大のライバルで野党の党首ケイコ・フジモリ(Keiko Fujimori)氏は、ビスカラ氏を罷免する「要素が十分にない」ことを公に認めた。(c)AFP