■「あつまれ どうぶつの森」が本土で削除され、非難の矛先に

 10代の大半をかけて抗議行動を率い続けた黄氏は、中国政府に「反中の民衆扇動家」と見なされている。

 黄氏は、表に出る政治的な毎日とプライベートな自分との微妙なバランスについて語ったが、逆に有名であることが自分を守る手段にもなると考えている。

「体制側が私を標的にする必要があっても、有名な活動家であるために、少しちゅうちょする場合もある」と言う。

 黄氏は自身について、日本のロボットアニメシリーズ「ガンダム(Gundam)」の大ファンで、運転は下手、米国版の政治ドラマ「ハウス・オブ・カード 野望の階段(House of Cards)」を熱心に見ていると語った。

 人気オンラインゲーム「あつまれ どうぶつの森(Animal Crossing: New Horizons)」のファンでもあるが、このゲームも政治と無縁ではいられなかった。香港のユーザーがゲーム内の仮想空間にある島に民主化を求める画像を飾ったところ、直ちにアプリが本土のアプリストアから削除されてしまったのだ。

 多くのユーザーが黄氏のせいだと責めた。分断化が進む香港で、黄氏は長年、こうした非難に耐え続けている。しかし活動を控えるつもりはないという。

「私を逮捕しないというなら、まだ香港にいることができるだろう。しかし当局が逮捕すると決めたら、直ちに中国に引き渡されるかもしれない」と黄氏は語った。「そうなったら、おしまいだ」 (c)AFP/Su Xinqi