【9月18日 AFP】米連邦捜査局(FBI)のクリストファー・レイ(Christopher Wray)長官は17日、米大統領選を前に、対立する主義主張を掲げる過激派集団の衝突が起きる可能性があるとして懸念を表明した。米各地の路上で緊張が高まっており、抗議デモを「ハイジャック」して暴力沙汰を引き起こそうとする集団への警戒を強めているという。

 米下院の国土安全保障委員会(Homeland Security Committee)で証言したレイ長官は、オレゴン州ポートランド(Portland)やウィスコンシン州ケノーシャ(Kenosha)など各地で行われたデモで衝突した複数のグループを、FBIが監視していると述べた。

 これらの都市では、人種差別や警察の暴力に抗議するグループと、時として武装した極右や白人民族主義者のグループが対立する構図が見られている。

 レイ氏は、「暴力的な過激派集団や暴力行為に及ぶ個人」に言及し、「今や双方のグループが、一触即発の危険な状況をますます悪化させている」と指摘した。

 委員会では米国家テロ対策センター(NCTC)のクリストファー・ミラー(Christopher Miller)所長も、白人至上主義者の動向を特に注視していると証言。米国を拠点とする過激派の一部に、ドイツやロシアの白人主義グループとのゆるいつながりがあると述べた。(c)AFP