【9月18日 AFP】3日間の日程で南米を歴訪している米国のマイク・ポンペオ(Mike Pompeo)国務長官は17日、最初の訪問国、スリナムを訪れ、同国政府に発展のパートナーとして中国ではなく米国の企業を選ぶよう求めた。

 ポンペオ氏は、就任間もないスリナムのチャンドリカペルサッド・サントキ(Chandrikapersad Santokhi)大統領との会談後、「米国の民間企業の製品やサービスの質を超えることができる国有企業などない」と述べた。

 今回の南米歴訪でポンペオ氏はコロンビアとブラジルも訪問予定。ブラジルではアマゾン(Amazon)川流域の国境地帯を訪れる。この訪問には、ベネズエラのニコラス・マドゥロ(Nicolas Maduro)政権下における経済の惨状を浮き彫りにする狙いがある。

 ポンペオ氏は、空路で隣国ガイアナに向かう直前にスリナムの首都パラマリボでサントキ大統領と共同記者会見を行い、「スリナムの経済成長の可能性に心が躍る時期だ」と述べた。

 いずれも発展途上の小国で、外国からの投資による石油資源開発を模索しているスリナムとガイアナには中国が接近している。

 ポンペオ氏は、「米国は、(石油開発が)持続可能で、すべての人に利益をもたらし、米国とスリナムの関係が深まることを熱望している」 「中国共産党の各国への投資を注視している。最初は素晴らしいもののように見えるが、それにひも付けられた政治的コストが明らかになると大失敗だということが分かる」と述べた。

「訪問する先々で現地の人たちが陥りつつある状況を全員に理解してもらい、われわれの主張の正しさを明らかにするため最善を尽くす」(ポンペオ氏)

 南米の木材と鉱物資源も手に入れたいと考えている中国は、巨大経済圏構想「一帯一路(Belt and Road)」にスリナム、ガイアナ両国も参加するよう働き掛けている。

 米石油大手エクソンモービル(ExxonMobil)は2015年、ガイアナ沖で近年では世界最大級の石油資源を発見したと発表。同社はスリナムにも深く関わっている。(c)AFP