【9月20日 Xinhua News】中国上海市の上海博物館で14日、「宝暦風物ー黒石号沈船出水珍品展」が始まった。中国・シンガポール国交樹立30周年を記念する特別展で、シンガポールのアジア文明博物館との共催となる。千年以上前の唐代の沈没船「黒石号」に積まれていた陶磁器、金や銀、銅の金属器、生活用具などを展示する。宝暦(ほうれき)は唐の敬宗の元号(825~827年)。

 黒石号は中国とアラブ世界を行き来した商船で、中国各地の物産を満載していた。9世紀前半の中国と東南アジア、中東地域との貿易と文化交流の重要な実物証拠であり、当時の海のシルクロードの繁栄を示している。

 同船は1998年、インドネシアのビリトン島海域で大量の積み荷と共に見つかった。中でも陶磁器は6万点を超え、越窯青磁や邢窯(けいよう)白磁、長沙窯彩絵磁、白釉緑彩器など唐代の南北著名窯の名品がそろっていた。これらの遺物は、唐代磁器に対する人々の認識を深めることに寄与した。

 今回の展覧会では、アジア文明博物館が精選した黒石号の遺物168点と上海博物館や陝西歴史博物館、揚州博物館などが所蔵する貴重な文化財80点の計248点(組)を展示する。(c)Xinhua News/AFPBB News