【9月17日 AFP】中国政府は17日、新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)における職業訓練プログラムの成功を称賛する報告書を発表した。この職業訓練施設をめぐって米政府は14日、「強制収容所」のような施設で強制労働が行われていると批判していた。

 資源豊富な同自治区における政策をめぐり中国政府は国際的に激しい批判を浴びており、人権団体はウイグル人や少数派イスラム教徒を中心に100万人が収容所に入れられていると主張している。

 米政府は14日、強制労働が行われているとの懸念から、同自治区で製造された中国製品の輸入を禁止すると発表。米国土安全保障省のケン・クチネリ(Ken Cuccinelli)副長官代行は「これは職業訓練センターではない。強制収容所だ」と記者団に述べた。

 だが、中国政府は、施設は職業訓練を行うためのもので、テロ対策や貧困緩和のための教育を提供する場として必要だと主張している。

 中国政府は今回の報告書で、同自治区での訓練プログラムと就業計画、より良い教育が生活の質を向上させているとし、同自治区における政策を断固として正当化した。また同自治区は「精力的に雇用計画を実行している。職業訓練を強化し、雇用機会と能力を拡大させている」と説明している。

 訓練では標準中国語の読み書きの他、仕事で求められる技術や都市生活の知識などを教えており、農村部の人々は政府の支援を受けた後、事業を立ち上げたり、工場に就職したりしているという。

 また、同自治区では2014~19年に年間平均129万人の都市・農村部の労働者に「研修」を実施しており、雇用政策は「人々のニーズを満たし、福利を向上させている」としている。

 一方、職業技能水準が低いとし、「テロリストや分離主義者、宗教的な過激主義者」が市民に対して、中国語の学習をやめ「近代科学を拒否し、職業技術の向上を拒むよう」促していると警告した。

 スウェーデンの服飾大手「H&M(へネス・アンド・マウリッツ)」は15日、中国最大の綿花産地である同自治区での民族的・宗教的少数派を使った「強制労働」に対する批判を受けて、中国の製糸業者との関係を断つと発表した。

 中国政府はこれに対し「強制労働」との批判を否定し、「断固たる措置」を講じる意向を表明した。(c)AFP