【9月16日 AFP】米国西海岸一帯で猛威を振るう山火事の煙がはるか欧州にまで到達していると、欧州連合(EU)の気候監視機関が16日に発表した。

 コペルニクス大気モニタリングサービス(CAMS)によると、現在米カリフォルニア州、オレゴン州、ワシントン州を襲っている山火事は「前例のない」規模で、衛星データからはその火勢が近年の平均よりも「数十倍から数百倍強い」ことが示されているという。

 CAMSが火災で発生した煙粒子の長距離移動を追跡調査した結果、煙粒子は東へ8000キロもの距離を移動し、欧州北部に到達していることが分かった。

 山火事は、地球温暖化に伴って著しく発生しやすくなるとみられている。米西部の火災では先月中旬以降、3000万トン超の二酸化炭素が排出されたと推定されている。

 CAMS上席研究員で山火事専門家のマーク・パリントン(Mark Parrington)氏は、「(2003年から)18年間監視データを収集してきたが、今回の火災の規模は過去のいずれの年に比べても桁違いだ」とコメント。

「これらの火災が大気中に非常に多くの汚染物質を放出しており、(発生地から)8000キロ以上離れた場所でも濃い煙が確認されるという事実は、火災の規模とその延焼期間がいかに壊滅的かを如実に物語っている」と述べた。(c)AFP/Patrick GALEY